監査支援システム

 厚生労働省は「医薬分業」による「かかりつけ薬局」をふやし、薬にまつわる3つの問題「医療費」「残薬」「服薬の重複によるトラブル」の解決を図ろうとしているが、結果的に「門前薬局」増えたことにより、実質的な問題解決になっていないばかりか、大手ドラッグストア―が調剤薬局に参入するなど、多くの調剤薬局が乱立し(実はコンビニの数より多い)た結果、薬剤師不足や調剤薬局の経営基盤を脅かしている状況に陥っている。

 厚生労働省は、この問題に際して「門前薬局」を「かかりつけ薬局」に変えていきたいと考えている。つまり、調剤薬局のおかれた現状は、「かかりつけ薬局」として質の進化およびサービス品質の向上が求められる一方、経営基盤の強化、生き残りに向けた業界の淘汰と再編の荒波をどのように克服するか、待ったなしの状況がすごい勢いで始まっている。

 このような環境下、調剤薬局の薬剤師の業務は高度化・複雑化・多忙化している。Generic医薬品やその地域の多くの病院の処方箋を受けることによる、取扱薬の種類と数の極端な増加、それを正確にピッキングしたうえで、過去の調剤履歴を考慮したうえでの患者への懇切・丁寧な説明と接遇、また、来局患者数の増加への対応、作業品質を上げると同時に生産効率を上げることの重要性はますます高くなっている。

 これまでは、上記のような問題を解決するために、複数薬剤師によるダブルチェックなど、人海戦術による解決方法がとられていきたが、すでに薬剤師の獲得競争は激しく、さらなる採用は物理的にも、また、経営的にも非常に困難な状況にある。

 人手を自動化する動きはここでも最重要課題で、「人+人」から「監査支援システム+人」による作業品質の向上と生産性の向上、有資格者である薬剤師の高付加価値作業へのシフトおよび待遇の改善が、生き残りをかけた重要戦略となる。

 このような状況下で、この監査支援システムの役割と期待は大きくなっており、今後の需要増加期待できる分野であるということが言える。